そのエリアにしかない魅力を堪能しよう。
北海道は都道府県のひとつですが、とてもとても広大な土地です。実際に住んでいる道民と都府県の方との認識には大きなズレがあると思い知らされるのが、道外在住の方から北海道旅行の希望の行程を聞いた時。
「お昼ごろ函館に入って函館観光をして、夜はススキノで飲んで、次の日は朝から旭山動物園でペンギンを見たい」
と聞かされたら、道民は一瞬言葉を失います(経験談)。どう言葉にするかは別として、内心「無理ムリ無理!」と思っているのは、ほぼ間違いありません。移動時間がまるで計算に入っていないことに道民は仰天するのですが、それくらい、未知の土地の距離感を掴むのは大変なことなのだとも思います。
わたしも、行ったことのない土地の距離感はもちろん気候や文化もまったくわからないので、旅行の前にはかなり下調べをします。でも、実際に行ってみないとわからない!というのが本当のところです。行ってはじめてわかるその土地の空気感、匂い、料理の美味しさ。それこそが旅の醍醐味で、だからまた旅に出たくなるのだと思います。
さて、北海道の大きさを実感するひとつの例として、 東京-名古屋間の直線距離と、札幌-釧路間の直線距離はほぼ同じです。
北海道内の高速道路は整備されつつありますし、JRも主要都市は特急がつながっていますが、新幹線はまだ新函館北斗駅(本州から北海道への新幹線の玄関口)までです。どうしてもすぐに移動したいときは、飛行機の利用も視野に入れる必要があります。『北海道はでっかいどう』なんてフレーズもありますが、それくらい広大な土地なので、北海道の中でもエリアによって文化圏や商圏が違います。帯広と釧路を含む道東エリアには、このエリアでしか見かけないスーパーがあり、ここにしかないカレー屋さんがあります。
カレーショップ インデアン
『カレーショップ インデアン』は、帯広に本店のあるカレー屋さんです。店内で食べることも、お鍋を持参してテイクアウトすることもできる、近所にあると本当に助かるカレー屋さん。帯広と釧路にしかありません。
この日は、13:30過ぎに伺いましたが、それでも8割方の席が埋まっていました。
エビカレーのチーズトッピングを中辛で。チーズは、ルーとごはんの間でとろけていて、それがまた美味しいのです。
インデアンカレーにカツのトッピングを辛口で。これを「インデアンカツ辛口で」と地元民は言います。
この2つのカレー、ルーの色の違いがわかるでしょうか。
インデアンのルーには、インデアンルー、ベーシックルー、野菜ルーの3種類があって、メニューによって使われているルーが違うのです。今回頼んだエビはベーシックルー、インデアンカレーは文字通りインデアンルーです。味わいが違って、どちらも美味しい!中辛や辛口など辛さの程度も選んでオーダーできますが、テーブルに置かれた『ホットオイル』で辛さをプラスすることもできます。そして、カレーのつけ合わせといえば福神漬けだと思いますが、実はガリもとても合います!
スーパーの一角に入っているので、駐車場も広くて便利です。
【インデアン 釧路あさひ町店】
住所:釧路市川上町9丁目7(ビッグハウス旭町店内)
TEL:0154-21-8885
定休日:なし
営業時間:11時~21時
レストラン泉屋(いずみや)
釧路に来たお客さんに「お昼は何を食べたらいい?」と聞かれたら、まず選択肢に上がるのが『レストラン泉屋』。
お蕎麦やラーメンなど、美味しいお店は沢山あるのですが、釧路ならではのパンチがあるものといったら、泉屋の『スパカツ』は外せないところでしょう。
泉屋のメニューの食品サンプルはなかなかの見応えです。
写真の右側にあるのが有名な『スパカツ』。アッツアツの鉄板にのせられてジュージューと音を立てながらやってくるボリューミーな『スパカツ』は一見の価値があります。
そして、この右側の『ミラノ風』。和風の味つけに海苔と生卵までのっているのに『ミラノ風』。安定の美味しさで泉屋に行ったら注文しようか迷ってしまうメニューのひとつです。
今回オーダーしたのは、『ピリ辛泉屋風』と『ピカタ』。
お客さんには『スパカツ』をすすめますが、わたしも1度は挑戦しましたが、文句なく美味しいのですが、ちょっと多い…。なんだかんだで、最近は結局いつも『ピカタ』をたのんでいます。卵がのっているとなんだかちょっとうれしいのはなぜなのでしょう(笑)。『ピカタ』は、卵をめくるとチャーシューが出現いたします!
たけのことえのきが具に入っているのも特筆ポイント。他のお店ではなかなか出会えない具材の取り合わせに、何度食べても、なぜこれを入れたの?と思いますが、違和感なく美味しいです。
【レストラン泉屋 総本店】
住所:釧路市末広町2丁目2-28
TEL:0154-24-4611
定休日:不定休(月1回火曜日)
営業時間:11時~21時
『泉屋本店』には駐車場がありませんが、建物のすぐ隣にコインパーキングがありますので安心です。
Hatch Bakery(ハッチベーカリー)
お食事処ではありませんが、パン好きとしてはぜひともお伝えしておきたい釧路のイチオシパン屋さん、『Hatch Bakery(ハッチベーカリー)』。パン好きさんなら知らない人はいないと思われる、千葉県松戸市の超有名店『Zopf(ツォップ)』で修業された方が釧路にパン屋さんを開業すると聞いたときは狂喜乱舞いたしました(笑)。その頃は札幌在住でしたが、釧路に引っ越すことが決まっていて、釧路に住むことのよろこびのひとつに確実になりました。なんといっても、この広い北海道に『Zopf(ツォップ)』出身のパン屋さんは、釧路の『Hatch Bakery(ハッチベーカリー)』、ただ1店舗しかないのです。
ひさびさに伺いましたら、店員さんがパンを取ってくださる方式に変わっていました。アクリルパネル越しでも美味しさの伝わるパンたちがいっぱいで、あれもこれもと大量の大人買いを致しましたが、興奮のあまり店内の写真を一切撮っていないという不覚。今回あらためて、しみじみ美味しいと思いました。具材や果物などののったパンが多いのですが、なんといってもパン自体が美味しい。そして、具材も手作りという素晴らしさです。13時過ぎに伺ったせいか、ほぼ並ぶことなく買えました。
【Hatch Bakery(ハッチベーカリー)】
住所:釧路市文苑1丁目9-3
TEL:0154-65-5185
定休日:水・木曜日
営業時間:7時~15時
ここ数年、高級食パン屋さんが次々オープンした釧路。『釧路で商売が成り立てばどこに行っても大丈夫』といわれる土地柄、新規出店の候補地として上がることも多いようですが、移り変わりも否めないようです。そんな中でも、実力派のパン屋さんは、変わらぬ美味しさを提供してくれていました。
『ライ麦パン美味しかったなー』なんて思い出していたら、またすぐにでも行きたくなってきました。千葉に比べたら釧路なんてすぐそば!でも、300kmあるのです。高速道路を使って往復8時間。少なくとも1泊。できれば2泊3日はほしいところです。「今からちょっと行ってパン買ってくる」なんて簡単に言える距離ではないのです(笑)。
遠い場所だからこそ、滅多に行けない場所だからこそ、その土地ならではの味を楽しむのも旅の醍醐味。釧路近郊にお越しの際の参考になりましたら幸いです。